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事案の経緯について

相続発生後に一部相続人の代理人として遺産分割協議を行った事例です。

今回発生した相続の事例では遺言はなく、主な遺産として不動産が遺されていました。

相続人は、配偶者のほかに、子三人でした。遺産となる不動産には、まだ住宅ローンが残っており、銀行から遺産分割協議をするようアドバイスを受けたものの、不動産の評価をめぐって争いになってしまいました。

遺産である不動産に、配偶者が住み続けたいという希望がありましたが不動産の評価をめぐって主に争いになり、遺産分割協議が難航していました。

そこで、代償金を支払う内容で交渉をしていたものの、金額について全く折り合いがつかず、当事務所にご相談にいらっしゃいました。

事案の概要

相続人 配偶者のほかに、子三人
遺産の内容 不動産など

解決までの流れ・時間

ご相談時、親族間で出来れば穏便に解決したいというご希望がありましたので、まずは不動産評価に関する実務上の考え方、書面の作成方法等をアドバイスして後方支援をいたしました。

しかしながら、やはり当事者間での交渉がうまくいかず、当事務所が代理人として、他の相続人に受任のご連絡をし、交渉を開始することとなりました。

受任後今回の不動産について、固定資産評価、路線価、査定評価を取得し、相手方と交渉を行いました。

交渉の中で特別受益等に関する主張も、相手方はしておりましたが、早期解決を呼び掛け、争点を不動産の評価に絞るよう要望しました。

結果的に代償金を一定金額支払う内容で遺産部分割協議が整いました。(相手方の当初主張していた代償金額の5分の1程度になりました。)

弁護士からのアドバイス

今回、不動産の評価額をめぐって合意することが出来、一定の代償金を支払う内容で解決しました。

遺産分割協議に於いては、本件に限らず不動産の評価で揉めることが多いと考えます。

また、審判等で不動産の評価が争われる場合には、鑑定が必要になり多額の費用を要します。このような観点から早期解決を呼び掛け幸い解決に至った事案でした。

不動産以外に大きな財産はありませんでしたので、もし被相続人の方が、不動産について遺言書を遺していれば、さらに早期の解決が可能な事案でした。当事者間で遺産分割協議をまとめることができたかもしれません。

改めて遺言書の重要性を実感した事例でした。ここまで揉めることは誰も想像していなかったそうです。

相続分野の民法改正により遺言書が作成し易くなりましたので、是非とも転ばぬ先の杖として、皆様に積極的に検討していただければと考えております。

※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がありますのでご了承ください。