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事案の経緯について

相続開始後に一部相続人の代理人として遺産分割調停を行った事例です。亡くなられたのは、相続人の母親で、子供2人が相続人となる事案でした。

相続開始後、相続人間で話し合いをしていましたが、合意に至りませんでした。

母親は遺言をのこしておらず、子供と2人で生活していたことから、相続財産の範囲についてもあいまいで、相続人双方で納得のいく合意ができず調停に移行しました。遺産分割協議が難航し、調停も解決の糸口がなかなか見えなかったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。

事案の概要

相続人 子供2人

解決までの流れ

ご相談時、なるべく早期に解決したいという思いが強かったため、相続財産の範囲や寄与分の主張にこだわるとその分時間がかかること、寄与分の主張は裁判所になかなか認めてもらえないことなどを説明しました。

その上で、早期解決の希望が強かったので、ある程度譲歩することも前提に受任しました。

調停の初期段階では、依頼者の寄与分や相続財産の一部は依頼者の財産であることなどを主張しました。

それに対して、相手は当方の寄与分を否定し、相続財産の一部が依頼者の財産であることも否定しました。また、特別受益の主張などもしてきました。

依頼者の早期解決の意向を重視して、当方は、寄与分の主張及び相続財産の一部が依頼者の財産であることの主張を譲歩し、調停委員を通じて、相手方にも特別受益の主張などを譲歩するよう説得しました。

その結果、受任から半年程度で調停成立に至ることができました。

弁護士からのアドバイス

早期解決を目指すのであれば、証拠が乏しく認められにくい主張などは双方譲歩して主張しないなど争点を絞ることが重要です。

通常、遺産分割調停は長期にわたるケースが多いです。争点が複数あり、いずれの争点も相続人が譲歩しないなど、重要な争点に絞った調停ができていないと長期化する可能性は高まります。

遺産分割は、生前の被相続人と相続人との遺恨や相続人同士の遺恨などの感情が複雑に絡み合っていることが多いです。遺産分割で悩んでいる方がいればぜひ一度ご相談していただければと思います。

※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がありますのでご了承ください。