事案の経緯について
依頼者の方は、これまでに様々な経緯があったことから、お子様のうちの一人に全ての財産を譲りたいと考えていらっしゃいました。
そこで、どのような遺言を作成すれば思いを実現することができるかご相談をいただきました。
事案の概要
遺産の内容 | 不動産など |
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解決までのポイント
多数の不動産等を所有されている依頼者の方のご希望が、お子様のうちの一人に全ての財産を譲りたいとのことでしたので、まず不動産や預貯金等の全ての財産をその方に相続させる遺言を作成する必要があることを説明させていただきました。
そのうえで、遺留分の制度を説明させていただきました。遺留分とは、相続人に相続財産の一定割合を取得する権利を認めた制度です。根拠条文は民法1028条で、「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。」と定められています。
そのため、相続が発生した後に遺留分侵害請求が行われ、相続争いが発生してしまう可能性があることになります。
そこで、遺言の中に相続をさせない方への気持ちを記載して、相続人間で遺留分の争いが起きないことを期待することとしました。
遺言には、法律的な効果こそないものの「付言事項」として自由に言葉を記載することができます。これまでの様々な経緯を聞き取らせていただき、ご本人の言葉を尊重する形で相続をさせない方への気持ちを作成させていただきました。
何度かの打ち合わせをさせていただき、最終的に依頼者に方の希望に最も沿う遺言を作成することができました。
そして、公証人と事前の打ち合わせを経て、公証役場にも同行させていただき、公証人による公正証書遺言の作成を行いました。
弁護士からのコメント
遺言のご相談をいただいた場合、どのような遺言を希望するか詳細に聞き取りをさせていただきます。依頼者の方の最後の意思を実現するためには、今日に至るまでの様々な思いや事情を伺わなければなりませんので、入年な打ち合わせが不可欠です。
そして、依頼者の方の考えでは問題が生じてしまうような場合、どのような問題が起こりうるか共に考え、より確実に意思を依頼者の方の意思を実現する方法をご提案させていただきます。
遺言書は、依頼者の方が相続人に残す最後のメッセージとなります。依頼者の方にとって、納得する遺言書を作ることができるよう、二人三脚で作成をさせていただきます。
遺言の内容について、弁護士の相談を経た方が紛争発生のリスクを軽減することができます。依頼者の方の最後の意思を実現するため、弁護士の助言の元、思いを込めた遺言書を作成していただきたいと考えております。
※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが関係者のプライバシー保護等に配慮し事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がございますのでご了承ください。