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事案の経緯について

ご依頼者様は、千葉県に在住されており、他の相続人は、九州など遠方に居住されているケースでした。

ご依頼者様は、相続財産の管理のために、これまでご尽力されており、これからも相続財産を引き継いでいきたいという思いを持っていました。しかし、遺産分割協議がなかなかうまくいかず、また、連絡の取れない相続人もいることから、このままでは解決しないと思いご相談に来られました。

お話を伺い、遺産分割協議をこのまま続けても合意に至るのは難しいと判断して、遺産分割調停を申し立てることを前提にご依頼を頂きました。

解決までの流れ

既にご依頼者様の方で遺産の調査は行われており、相続財産がはっきりしていたので、その相続財産を前提に各相続人に対して連絡を取りました。しかし、やはり、各相続人との調整は難しく、合意に至ることはできませんでした。

そこで、遺産分割調停を申立てました。遺産分割調停は、遠方であったことから、電話会議で行うことになりました。期日の中で、ご依頼者様のこれまでの相続財産の管理状況等を説明したところ、相手方である各相続人は、ご依頼者様が相続財産を引き継ぐことに同意するようになりました。

ある相続人はご依頼者様に相続分を譲渡して、その他の相続人は相続分に応じた代償金を受け取ることで、最終的にご依頼者様が相続財産を引継ぐことで合意に至りました。

なお、調停に出席しなかった相手方については、相続分に応じた代償金を支払うという内容の審判により解決しました。

解決のポイント

相続財産の管理を行っているのは、1人の相続人であることは少なくありません。今回のケースでは、ご依頼者様が相続財産の管理をすべて行っており、土地や建物の相続財産を残していきたいという思いがありました。

他の相続人は、相続財産の管理状況や思いをよく理解しておらず、ご依頼者様の提案が自分達に不利になると考えていたようです。調停の中でその点を丁寧に説明することで、ご依頼者様に相続分譲渡を行う相手方や、ご依頼者様から相手方への代償金での支払いで解決に応じるようになりました。

また、調停に出席せず、連絡の取れない相手方については、調停に代わる審判として、相続分に応じた代償金での支払いという内容で解決することができました。

相続の問題は、相続人間の話し合いのみでは解決することが困難なことがよくあります。同じような悩みを持っている方は、ぜひ一度ご相談していただければと思います。


※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がございますのでご了承ください。