通常の期待を超える特別の寄与、無償性、継続性、専従性、財産の維持又は増加との因果関係が必要となります。

1. 通常の期待を超える特別の寄与

家業従事の内容が、相続人との身分関係に基づいて通常期待されるであろう範囲を超えていることが寄与分発生の条件です。

社会常識に照らして、妻として通常期待される程度はこの程度、夫として通常期待される程度はこの程度、親戚として通常期待される程度はこの程度という観点から、通常の期待を超える特別の寄与であるかどうかが判断されます。

2. 無償性

生活費・給与・報酬等の給付を受けている場合には無償性の要件を満たしません。

ただし、無償かどうかを判断するに当たっては、第三者を従業員として雇った場合と比べて差があるかという観点から判断しますので、給与をもらっていたとしてもそれが相場より安い場合には無償性の要件を満たすこととなります。

通常、無償で労務を提供して一切生活費も受領していないというケースは少ないので、本当に一切無償であるというようなケースはむしろ少ないかもしれません。

3. 継続性

個別の事案ごとの判断となりますが、労務の提供が一定の期間以上継続していることが条件となります。

数年の継続性が必要とされることが多いと思われます。

4. 専従性

業務内容が片手間程度のものではなく、負担がかなり重いということが条件となります。

ただし、「専従」=「専業」という意味ではなく、他の業務を行っていても専従性の要件を満たすことはあります。

5. 財産の維持又は増加との因果関係

上記の条件を満たす寄与行為を行った結果、故人の財産が維持され、または、故人の財産が増加したという因果関係があることが必要です。

寄与期間が長期にわたることが多いので、財産の維持又は増加については過去の資料から丁寧に数字を検討していく必要があります。

6. 具体的によく問題となる職種について

家業従事型で具体的によく問題となる業種については、農業・林業・漁業・各種製造業、各種加工業、小売業、医師、公認会計士、税理士などがあります。

7. まとめ

家業従事型の寄与分については、通常の期待を超える特別の寄与、無償性、継続性、専従性、財産の維持又は増加との因果関係という条件を満たす必要があります。

ただし、これらの条件1つ1つの要件ごとに細かいルールがありますので、具体的な家業従事型の寄与分が認められるかどうかは事案ごとに個別の判断が必要です。