送付の相手、文章の内容、期間制限に注意しましょう。

(回答:弁護士 大澤一郎)

内容証明郵便とは?

内容証明郵便とは、送付した郵便物の文書の内容を郵便局が証明してくれる郵便です。似たものに配達証明付郵便というものもありますが、これは、相手に届いた年月日を証明してくれる郵便です。

また、特定記録郵便というものもありますが、これは、郵便物を差し出したことを証明してくれる郵便であり、郵便物が届いたことまでは証明してくれません。

遺留分減殺請求の場合は配達証明付内容証明郵便で出しましょう

遺留分減殺請求の通知をする場合には、配達証明付の内容証明郵便で郵便を送付しましょう。遺留分減殺請求には、相続の開始等を知ってから1年以内という期間制限と、相続の開始から10年以内という期間制限があります。

期間制限の期間内に相手に遺留分減殺請求の通知が届いたことを署名することが必要なため、「配達証明」と「内容証明」の2つが必要になります。

遺留分減殺請求の内容証明は送付の相手に注意しましょう。

遺留分減殺請求の場合、減殺すべき生前贈与がどれであるか等についてかなり専門的な法律判断が求められます。贈与の順序や遺留分侵害に当たるかといった要素は事実関係・法律関係が共に複雑のため、専門家でも当初の段階では判断が確定できないことも多いです。

そのため、請求する相手について遺留分減殺請求の内容証明を送付する段階で確定ができないことがあります。このような場合、遺留分減殺請求の相手方となる可能性がある人に対しては全て遺留分減殺請求をする旨の内容証明を送付しておいた方がよいでしょう。

期間制限(時効・除斥期間)により内容証明を送付しておかないと請求ができなくなってしまうことがあります。

遺留分減殺請求の内容証明文書の内容

遺留分減殺請求の内容証明の文書の内容に特に制限はありません。必ず記載するのは「遺留分減殺請求をする旨の意思表示」がわかる文章です。

たとえば「AはBに対して遺留分減殺請求をする旨の意思表示を本通知書においてします」などの文章です。

もちろん、具体的な減殺すべき生前贈与や遺贈が判明していれば具体的な内容を記載すべきですが、具体的なことが判明していなければ、「遺留分減殺請求をする旨の意思表示」を記載しましょう。

内容証明郵便についてのその他

内容証明郵便は郵便局で出すことも出来ますし、ネット上から出すこともできます。

よく内容証明郵便を出す場合には、ネット上のサービスを利用して内容証明郵便を出すことも選択肢の1つかもしれません。

(文責:弁護士 大澤一郎)