特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他相続人と特別縁故があった者のことです。故人に相続人がいない場合に遺産を取得することができることがあります。

1. 特別縁故者制度

故人に相続人がいない場合、遺産は全て国に帰属するのが原則です。しかしながら、故人と生前何らかの強い関係があった者については社会常識から考えて遺産を取得させることが妥当だと考えられます。このように、故人が相続人がいない場合の制度が特別縁故者制度です。

2. 被相続人と生計を同じくしていた者とはどのような人ですか?

  • (1)裁判所の基準は一律ではありませんが、形式的な親族間の関係性の近さではなく、実施的な関係がどれくらいあったかによって判断をしています。
  • (2)例えば、内縁の夫婦、叔父叔母、事実上養子に近い関係の人、子供の妻などが特別縁故者として認められている例です。

3. 被相続人の療養看護に努めた者とはどのような人ですか?

介護・看護のために仕事として付き添った人は通常特別縁故者には当たらないと考えられています。他方、故人の療養看護に献身的に努めたと評価されるような場合には特別縁故者として認められる事があります。

4. 特別縁故者の財産分与申立の期限について

特別縁故者の財産分与申立は、相続財産管理人が相続人の捜索の公告をした公告期間満了日から3ヶ月以内にしなければなりません。期間経過してしまうと申立ができなくなってしまいますので注意が必要です。

5. 財産分与の程度について

特別縁故者にいくらの財産分与が決められるかは裁判所が判断します。具建て的には、故人と特別縁故者との縁故関係の厚薄、度合い、特別縁故者の年齢、職業、相続財産の種類・額・状況・所在などの事情を考慮して決められます。裁判所に細かく事情を説明する書面を提出することにより、事実関係をはっきりと裁判所に理解してもらう必要があります。

6. その他

  • (1)特別縁故者に該当するかどうかや、該当した場合に受領できる財産分与の額は裁判所が決めることです。事前に遺言書などで故人の意思をはっきりとしておけば遺産をスムーズに特別縁故者が受領することができます。
  • (2)そもそも、特別縁故者制度という制度自体を知らない人もいると思います。相続する権利がない人でも遺産を取得できる可能性があるということは是非知っておいていただきたいと思います。