遺産分割協議において、相続人間の主張が異なり、対立構造になってしまった場合、本人同士が感情的に主張をぶつけ合ってしまうと、泥沼の争いになることが多々あります。
泥沼の争いになって何が困ると言って、争いの長期化です。

相続紛争の「泥沼化」を防ぐ

「相続の基本」でも述べましたが、遺産分割がまとまらない限りは、相続財産は共有の状態のままになってしまい、どうすることもできません。そのような状況になる前に、弁護士にご相談頂き、専門家から客観的なアドバイスを受け、早期解決を図られることをお勧めします。

法律を味方につけて、自分の利益(権利)を守る

遺産分割協議のポイントは決着がつかなければ、調停・審判に持ち込まれることです。従って、いかに調停や審判の場合の展開を見越して、話し合い(協議)を進められるかが重要です。

当事務所が、遺産分割協議や遺産分割調停の依頼を受けた場合、当初から、依頼者に対して、「協議や調停がまとまらなければ、審判においてこのような判断が下されると予想されます。」という説明を行い、調停・審判になった場合に依頼者の不利益にならないよう配慮しています。

また、調停・審判にした方が皆様の利益になる場合には、調停・審判への移行をご提案します。当然、調停や裁判になった場合、法律を踏まえて、適切な主張を展開し、依頼者の利益(権利)を守ることになります。

各士業の役割の違い

相続・遺産分割についての相談をする際にどの専門家に相談すべきでしょうか。専門家には、弁護士・税理士・司法書士・行政書士などがいます。結論から言うと、もめるかどうかわからない段階でも、相談は弁護士にすべきです。「最終的には裁判でこうなる」ということをしっかり理解していただいた上で遺産分割の交渉にのぞんでいただきたいからです。

  • 税理士は税金の専門家です。しかし、遺産分割の協議をまとめることを目的として動いてくれるわけではありません。相続に詳しい税理士も一部いますが、大多数の税理士は相続の専門家ではなく税金の専門家です。(注1)
  • 司法書士は登記の専門家です。しかし、遺産分割の協議をまとめることを目的として動いてくれるわけではないことは同じです。あくまで、司法書士は登記の専門家です。(注2)
  • 行政書士は能力が人によってかなりばらつきがあるというのが正直な印象です。

下記に、各士業でできることをまとめましたので、ご覧ください。

項目 弁護士 司法書士 行政書士 税理士
相続調査
遺産分割協議書作成
代理人として交渉      
調停      
審判      
相続登記    
相続税申告      

相続調査や遺産分割協議書の作成は他士業でもできますが、代理人として他の相続人と交渉したりすることや、調停・審判業務は弁護士にしか認められていません(他士業が上記業務を行った場合は法律で処罰されます)。

私たちの事務所では、地元の税理士・司法書士・行政書士の先生方からのご紹介で相続の相談を多く取り扱っています。紛争又はその可能性がある場合には、弁護士に相談することがよいことを皆専門家は知っているからです。

相続の相談の際は、実績ある弁護士に相談をすることを強くお勧めします。

  • (注1)当事務所には税理士資格を有する弁護士も在籍しています。しかし、相続税の申告業務は税理士の業務の中でも特殊な専門性の高い業務と考えていますので、相続税の申告を依頼する場合には、実績があり、専門性に秀でた税理士を別途ご紹介しています。
  • (注2)弁護士は登記手続きも法律上行うことができますし、当事務所で行った登記の実績も実際にあります。現在は、当事務所では原則として、登記については司法書士に依頼しています。

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