換価分割とは遺産を売却等で換金した後に価格を分配する方法です。

1. 遺産の分割方法の順序について

調停・審判において遺産を分割する場合、原則となるのは現物を分割する現物分割の方法です。現物分割が難しい場合、次に検討する方法は代償分割です。現物分割・代償分割のいずれの方法も難しい場合に換価分割の方法を検討することになります。

2. 換価分割の種類

換価分割にも2種類の分類があります。当事者の合意による任意売却の方法と審判等の裁判所の決定による換価の方法です。

  • (1)当事者の合意による任意売却の方法
    当事者の合意による任意売却の方法とは、調停の手続中に相続人全員が合意して不動産を売却し、その売却代金を遺産として分ける方法です。相続人全員が売却すること及び売却価格に同意している場合にはこの方法が手続きが簡単かつ高額での売却が可能となることが多いです。
  • (2)審判等の裁判所の決定による方法
    一番典型的な場合は裁判所での審判の場合です。審判において競売を命じた上で民事執行の不動産競売の手続きにしたがって競売手続きが進んでいきます。競売による換価代金については各相続人で各相続人の相続分にしたがって分配をすることとなります。

他方、審判に至る前に、任意売却又は競売を命じる裁判所の決定に基づき不動産の換価が行われることもあります。(任意売却をすべきとの決定は、競売を望む相続人がいない場合のみ可能です。)

3. 換価分割の注意点

  • (1)任意売却と競売を比較すると、一般には競売の方が売却価格が安く、また、現金化までに時間がかかると考えられています。そのため、買主を探すことができる場合には、任意売却による売却の方が全相続人の相続分が増えるので望ましいでしょう。
  • (2)不動産を任意売却の方法により換価する際には決めておくべき事項があります。最低売却価格・売却期限・売却担当者・売却代金から控除する費用の項目・相続登記手続及び所有権移転登記手続費用・司法書士費用等について決めておく必要があります。

4. 結論

換価分割はうまく話が進めば一気に遺産分割調停・審判が進む有効な方法です。他方、換価方法・換価条件などをめぐって話が長期化する原因にもなる方法です。状況に応じて換価分割をすべきかどうか検討することがよいでしょう。裁判所の調停・審判では、現物分割→代償分割→換価分割→共有分割の順で検討対象となるということも重要です。