必ず同じ書式で提出しなければならないというわけではありません。詳細は申立をする予定の裁判所にお問い合わせください。

なお、弁護士が代理をする場合には、経緯を記載した申立書、遺産目録、相続人関係図、解決についての希望等を記載した書面などを提出することが多いです。また、証拠を添付して申立をすることが弁護士が代理している場合には通常です。

(回答:弁護士 大澤一郎)

遺留分減殺請求の書式について

遺留分減殺請求の書式については、裁判所のホームページに参考書式が掲載されていますのでご覧ください。

※裁判所によっては書式の掲載がない場合があります。

遺留分減殺請求の書式を埋める際に注意する事項(申立書)

遺留分減殺請求の書式のうち申立書を記載する場合、過去の経緯を主張することが必要です。

ここで、過去の経緯といっても、何でも記載すればよいというわけではなく、財産に関することを記載することが重要です。過去の生前贈与・遺言書の内容・特別受益の内容などを記載します。

遺留分減殺請求の書式を埋める際に注意する事項(財産目録)

遺留分減殺請求の書式のうち財産目録を記載する場合、財産の漏れがないかどうか注意することが重要です。

また、財産ごとに証拠をきちんと提出することが重要です。たとえば、預金口座であれば金融機関から取り寄せした故人の通帳の履歴、不動産であれば法務局で取得することが可能な履歴事項全部証明書、相続税の申告をしていれば相続税の申告書などです。

また、過去の経緯からして遺留分減殺請求をする人がもっていないことが通常と思われるような資料については準備する必要はありません。

遺留分減殺請求の書式を埋める際に注意する事項(相続人関係図)

遺留分減殺請求の書式のうち相続人関係図を記載する場合、戸籍を市役所から取り寄せすることが重要です。

結婚していないけれど子供がいる場合など、思わぬところに子供がいたりすることもあります。また、養子縁組などで子供が増えていることもありますので注意が必要です。

相続人が漏れていると、遺留分の額が変わってくることがありますので要注意です。

解決についての希望

遺留分減殺請求の書式のうち解決についての希望を記載する場合、金銭での解決を望むかどうかは1つのポイントです。大部分の遺留分減殺請求をめぐるトラブルの場合、不動産を故人が所有していることが多く、遺留分減殺請求をしたとしても自動的に金銭の請求が可能となるわけではありません。

遺留分減殺請求をされた側が金銭での解決を希望した場合、始めて金銭による解決となることが多いです。そのため、当初の段階で解決についての希望をどのようにするかということは慎重に判断する必要があります。

その他

遺留分減殺請求の問題は非常に難しい法律問題を多数含んでいます。また、相手方との対立が激化することも多いです。

そのため、遺留分減殺請求を行う場合には、安易に書式に頼ってご本人で手続きをすることなく、遺留分に詳しい専門家による援助を受けた方がよいかと思います。

(文責:弁護士 大澤一郎)