投資信託は遺産分割の対象となる可能性が高いです

1.投資信託も相続財産となる

投資信託は、一般的には、多数の投資家から集めた資金をまとめて、専門家が投資を行い、集めた資金の運用による収益を投資家に分配するという性質を有する金融商品であることが多いでしょう。

このような投資信託においては、投資家には運用による収益を請求する権利(収益分配請求権)、出資した投資信託の解約又は買取を請求する権利(償還金請求権)があり、投資信託には、当然相続財産性が認められます。

2.投資信託は遺産分割の対象となる

では、投資信託が相続財産に当たる場合、遺産分割の対象となるのでしょうか。

この点に関しては、地方裁判所レベルで様々な解釈がされていましたが、最高裁判所(最高裁平成26年2月25日第三小法廷判決)は、「この投資信託受益権は、口数を単位とするものであって、その内容として、法令上、償還金請求権及び収益分配請求権という金銭支払請求権のほか、信託財産に関する帳簿書類の閲覧又は謄写の請求権等の委託者に対する監督的機能を有する権利が規定されており、可分給付を目的とする権利でないものが含まれている。

このような上記投資信託受益権に含まれる権利の内容及び性質に照らせば、共同相続された上記投資信託受益権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである」と判断し、遺産分割の対象となる(当然に分割されるものではない)という判断を初めて下しました。

よって、収益分配請求権や償還金請求権の他、委託者に対する監督的機能が設定されるという特徴を持つ投資信託については、遺産分割が必要であるものと考えられます。

3.相続開始後に収益金等が入金された場合

なお、相続開始後に相続開始後に、収益の分配や償還金が、被相続人の預金に例えば入金された場合、どのように取り扱うことになるのでしょうか。

平成26年12月12日、最高裁判所は「元本償還金又は収益分配金の交付を受ける権利は上記受益権の内容を構成するものであるから、共同相続された上記受益権につき、相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し、それが預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合にも、上記預り金の返還を求める債権は当然に相続分に応じて分割されることはなく、共同相続人の1人は、上記販売会社に対し、自己の相続分に相当する金員の請求をすることができない」旨、判示し、やはり遺産分割が必要であるとの解釈を示しています。