相続人の範囲に争いがある場合、遺言書の効力又は解釈に争いがある場合、遺産分割協議書の効力に争いがある場合、遺産の帰属に争いがある場合があります。

1. 相続人の範囲に争いがある場合

通常、役所が取り寄せして戸籍を調査すれば、相続人の範囲に争いが発生することはありません。しかし、婚姻無効・親子関係不存在・失踪宣告・相続人の廃除・認知等の事情により相続人の範囲自体に争いがある場合があります。このような場合、訴訟によって先に相続人の範囲を確定させることが必要になります。そのため、遺産分割調停を申立しても結果的に意味がないことがあります。

2. 遺言書の効力又は解釈に争いがある場合

遺言書の効力又は解釈に争いがある場合には、遺言無効確認の民事訴訟での解決や、遺留分減殺請求の調停又は訴訟により解決を図っていくことになります。そのため、遺産分割調停申立をしても結果的に意味がないことがあります。

3. 遺産分割協議書の効力についての争いがある場合

遺産分割協議書の効力について争いがある場合には、遺産分割協議書無効確認訴訟の民事訴訟での解決を図る必要があります。そのため、遺産分割調停申立をしても結果的に意味がないことがあります。 

4. 遺産の帰属に争いがある場合

遺産が誰に帰属するのか自体について争いがある場合には、遺産の範囲の確認訴訟や所有権の確認の民事訴訟で解決を図っていく必要があります。そのため、遺産分割調停申立をしても結果的に意味がないことがあります。

5. その他

明らかに話し合いでの合意をすることが困難な場合があります。このような場合でも、調停→審判という過程で最終的に裁判官が強制的に判断をすることは可能です。そのため、明らかに話し合いでの合意が困難な場合であったとしても遺産分割の場合にはまずは調停申立をする方がよいでしょう。

6. 結論

遺産分割調停の申立をすることにより問題が解決ができる場合と遺産分割調停の申立ではなく民事訴訟の提起を申立することにより問題が解決できる場合があります。いずれの方法が問題解決になるかは技術的な問題もあり判断が難しい時もあります。せっかくたくさんの資料をそろえて調停申立したのに資料が無駄になってしまわないようにしたいものです。