新たに発見された遺産の内容によって、その後の処理方法が変わってきます。

遺産分割協議が成立した後に新たな遺産が見つかったというような場合、原則として、過去に行った遺産分割協議は有効なものとして維持されます。そして、新たに発見された遺産について改めて遺産分割協議を行うことになります。

ただし、新たに発見された遺産が、相続人が隠していた財産であったり、その遺産の価値が遺産全体の中で大きな要素を占める場合など、例外的に、過去の遺産分割協議が無効となって、遺産分割協議のやり直しとなることがあります。

1. 遺産分割協議の有効性の問題

遺産分割協議を行うに当たっては、一般的に、遺産の範囲を確定して、遺産目録を作成します。ところが、遺産分割協議をした後になって、遺産目録から抜けている遺産が新たに発見されることがあります。

新たな遺産が発見された場合、すでに成立した遺産分割協議を無効として全遺産を再度分割するのか、新たに発見された遺産のみを分割すればよいのかが問題となります。

2. 未分割の遺産のみを分割すればよい場合

新たな遺産が見つかるたびに遺産分割協議のやり直しが必要となれば、相続人に無駄な労力を強いることになるうえ、遺産分割協議で決めた法的権利関係が不安定なものとなってしまいます。

そこで、遺産分割協議が成立した後に、新たな遺産が見つかった場合、原則として、すでになされた遺産分割協議を有効として、新たに見つかった遺産に関してのみ、改めて遺産分割協議を行えばよいと考えられます。

3. 全ての遺産について分割し直す必要のある場合

新たに発見された遺産の価値が大きく、相続人が当該遺産の存在を知っていれば遺産分割協議に合意することはなかっただろうといえるような場合には、相続人の一人が遺産分割協議に錯誤があったとして錯誤無効(民法95条)を主張することで、すでに成立した遺産分割協議が無効となる可能性があります。

もっとも、遺産が相続財産のうち重要な要素を占めるようなものであっても、相続人全員の合意があれば、新たに判明した遺産だけを分割すればよいと考えられます。

4. さいごに

上記のとおり、遺産分割協議後に新たな遺産が発見されてから対処することも可能ではあります。しかし、できれば面倒な手続きは避けたいものです。

まずは、遺産分割協議を行う際に、しっかりとした財産調査を行うことが大切です。また、遺産分割協議の際に、新たに発見された遺産の取得者や、取得の割合等を事前に決めておくこともできます。

回答:今村公治 弁護士

動画で見る相続:遺産分割協議後に見つかった遺産

(解説:今村公治 弁護士)