審判については告知があってから2週間以内に即時抗告をする必要があります。

1. 遺産分割調停と遺産分割審判について

遺産分割について争いがある場合、通常は遺産分割調停を裁判所に申立します。その上で、遺産分割調停で合意による解決ができない場合には、遺産分割審判により裁判官が判断をします。その内容に不服がある場合には、高等裁判所に対して不服申立をすることができます。

2. 即時抗告について

即時抗告は審判についての告知があった日から2週間以内に行う必要があります。不服申立の期間については一日でも遅れると不服申立ができなくなりますので注意しましょう。即時抗告は高等裁判所宛の書類を家庭裁判所に対して提出する方法により行います。書類の宛先は高等裁判所宛、書類の提出先は家庭裁判所になりますので注意が必要です。

3. 抗告審の審理について

  • (1)抗告状や理由書に理由が記載されていない、家庭裁判所での主張の繰り返しに過ぎないなど、理由がないことが明らかな場合には、抗告はただちに棄却されます。
  • (2)他方、抗告に理由がないことが明らかとまではいえない場合には、抗告状と抗告の理由書が相手に届きます。相手は抗告の理由に対して反論をするということになります。
  • (3)審理を行った後に、抗告審としての判断がなされます。
  • (4)高等裁判所が抗告の手続きを調停の手続きに変更することができます。この場合には、調停手続が優先され、調停が成立しない場合には抗告審の判断がなされることとなります。
  • (5)高等裁判所では、抗告に理由があると思われる場合には、高等裁判所が自ら新たな判断をします。審理手続きを家庭裁判所に差し戻すという判断がなされることもないわけではありませんが、どちらが多いかというと、高等裁判所が自ら判断をすることの方が多いです。
  • (6)高等裁判所の判断に対して、さらに最高裁判所に特別抗告・許可抗告をすることもできますが、不服申立可能な理由が憲法違反・他の最高裁判例違反等に限られており、最高裁判所への不服申立で結論が変わることはかなり少ないでしょう。

4. 家庭裁判所での調停・審判手続きで全力を尽くすことが大切であること

通常の裁判でも、遺産分割審判でも、一度出た裁判所の判断はなかなか変わりません。特に、双方が資料を十分に出して判断がなされた場合、その判断が変わる確率はより低いと言ってよいでしょう。そのため、抗告をするということを前提とせずに、家庭裁判所での調停・審判手続きで全てを解決すると考えることが現実的にはよいでしょう。