遺留分減殺請求訴訟を裁判所に起こすことはとても専門的な知識が必要です。弁護士に依頼することが必要不可欠です。なお、遺留分減殺請求の調停の申立は弁護士が代理をしなくても可能なこともあります。

1. 遺留分減殺請求訴訟とは?

遺留分減殺請求訴訟とは、遺留分の請求を行うために、地方裁判所に提起する民事訴訟です。通常の貸金訴訟、売掛金請求訴訟と同じような裁判です。(家庭裁判所で行われる裁判とは異なります。)

2. 遺留分減殺請求訴訟が難しい理由

遺留分減殺請求訴訟を行う場合、何を裁判で求めるかということを明確にする必要があります。遺留分減殺請求訴訟で求めることができる内容は特定の財産についての遺留分の減殺を求める内容なのでたとえば裁判で求める内容(請求の趣旨)は以下のような内容となります。どの財産に対してどのような行為が遺留分を侵害しているのかを把握することが難しく、また、侵害している割合を計算することもとても難しいです。

  1. 遺留分減殺請求訴訟・不動産の場合
    被告は原告に対し、別紙物件目録記載の不動産について、平成○年○月○日遺留分減殺を理由として、○分の○の持分移転登記手続きをせよ。
  2. 遺留分減殺請求訴訟・動産の場合
    被告は原告に対し、別紙目録記載の動産について、原告が○分の○の共有持分を有することを確認する。
  3. 遺留分減殺請求訴訟・貸金の場合
    被告は原告に対し、別紙目録記載の株式について、原告が○分の○の準共有持持分を有することを確認する。
  4. 遺留分減殺請求訴訟・金銭の場合
    被告は原告に対し、金○円及びこれに対する平成○年○月○日から支払済みまで年5部の割合による金員を支払え。

3. 遺留分減殺請求訴訟の前にすること

いきなり遺留分減殺請求訴訟を起こすよりも、まずは、遺留分減殺請求の調停を裁判所に対して申立をすることが一般的です。遺留分に関する事件は調停前置主義といって、原則として訴訟よりも調停を先に起こすルールとなっています。また、遺留分減殺請求の調停の中で実際の遺産の内容が明らかになり、最終的に調停での合意に至らないとしても、遺留分減殺請求訴訟の中で、どの財産に対してどの割合での遺留分減殺をすればよいかが明らかになってきます。

4. 遺留分減殺請求訴訟で請求する内容が確定しない場合

遺留分減殺請求訴訟で請求する内容が確定しない場合、とりあえず予想される数字を元にして相手への請求内容を決めることが一般的です。訴訟の進行の中で、だんだん具体的な数字がわかってきますので、その数字がわかってきたときには、請求内容を訂正するということが一般的です。

5. その他

遺留分減殺請求訴訟は、数ある訴訟の中でもかなり複雑な訴訟です。遺留分に詳しい専門の弁護士に依頼することをお勧めします。