相続開始後遺産分割の内容が最終的に確定するまでの間は各相続人に法定相続分の割合にしたがって帰属します。遺産分割の内容が最終的に確定した以降は遺産を取得した各相続人に帰属します。

1. 故人が死亡するまでの賃料収入について

故人が死亡するまでの賃料収入は当然遺産となります。通帳に入金されている場合は争いとなりませんが、現金で保管している等の事情がある場合には、実際の入金額や現在の保管額などが争いとなることもあります。

2. 故人が死亡後遺産分割の内容が最終的に確定するまでの賃料収入について

遺産分割協議書の作成、裁判所での調停の成立、裁判所での審判の確定など、遺産分割の内容が最終的に確定するまでの間は、賃料収入は各相続人に法定相続分の割合にしたがって帰属します。

3. 遺産分割の内容が確定した以降の賃料収入について

遺産分割の内容が確定した以降の賃料収入は、不動産を取得した相続人に帰属します。

4. 実際の話し合いの方法について

故人死亡後の賃料については当然遺産分割の対象となる財産となるものではありません。しかしながら、実際上、他の財産についての協議をする中で相続人全 員が合意をした場合には、賃料債権も遺産分割の対象となる財産として話し合いをすることは可能です。裁判所での調停手続きの中でも、当事者全員が合意をし た上で遺産の中に含めて進めていくことが多いです。

5. その他

賃料が発生する物件を取得する予定の相続人は、早く合意を成立した方がそれ以降の賃料債権を全て取得できるので望ましいと言えるでしょう。他の点について少し譲ってでも、早く満額の賃料をもらうことができます。

参考判例:東京高等裁判所昭和63年1月14日決定

相続開始後遺産分割までの間に相続財産から生じる家賃は相続財産そのものではなく、相続財産から生じる法定果実であり、相続財産とは別個の共有財産であり、その分割ないし清算は原則的には民事訴訟手続きによるべきものである。

ただし、相続財産と一括して分割の対象とする限り、例外的に遺産分割の対象とすることも許容されるものと解すべきである。この場合、当事者の訴権を保証する 観点から、相続開始後遺産分割までの間の家賃を遺産分割の対象とするには、当事者間にその旨の合意が存在することが必要であると解するのが相当である。